防塵マスク:粉塵からの防御完全ガイド
防じんマスクとは、空気中に浮遊する粉塵や粒子状物質を吸入することを防ぐために使用される防護具です。主に工事現場や製造業の作業現場、溶接作業、さらには健康被害が懸念される環境で利用されます。呼吸器を粉塵から守り、長期的な健康リスクを軽減する目的で着用されています。防じんマスクは性能と用途に応じて各種検定規格が設けられており、作業レベルや現場に沿った製品を選ぶことが重要です。
防じんマスクの種類:使い捨て式とフィルタ取替式の違い
防じんマスクには大きく分けて「使い捨て式」と「フィルタ取替式」の2種類があります。使い捨て式防じんマスクは、フィルター一体型で構成されており、一定の使用後には廃棄するタイプです。例えば、DS2やN95といった規格の使い捨てマスクは、粉塵捕集効率が高く、軽量で手軽に使用できます。
一方、フィルタ取替式は、本体を繰り返し使うことができ、用途に応じてフィルタ部分を交換して長期にわたって使用可能です。これらは高頻度の粉塵作業や長時間の作業に適しています。使用目的やコスト面を考慮して選択することが大切です。
- 国家検定合格番号:TM30
- 区分:RS2(取替式)
- 粒子捕集効率:95%以上
- 入り数:10個入
- 防毒 :ホルダー交換で対応可
- 専用ろ過材No.3753はこちら
- 国家検定合格番号:TM495
- 区分:DS2(使い捨て式)
- 粒子捕集効率:95%以上
- 入り数:20枚入
- 使用時間目安:16時間
- 折りたたみ式
- 米国NIOSH認可品
- 区分:N95(使い捨て式)
- 粒子捕集効率:95%以上
- 入り数:20枚入
- 個別包装
- 折りたたみ式
防じんマスクのフィルター:捕集効率の仕組み
防じんマスクを選ぶ際には、国家検定に適合した製品を選ぶことが不可欠です。防じんマスクは、その捕集効率と作業環境に応じて、国家検定規格で細分化されています。例えば、DS1、DS2、DS3といった規格は、粉塵捕集効率や守るべき作業密度に基づいた区分です。
防じんマスクのフィルターは、空気中の粉塵や微細な粒子を効果的に捕集する仕組みを持っています。多くの場合、静電気を利用した特殊な繊維構造がフィルターの核となり、粒子を吸着します。そのため、例えばN95マスクは、0.3μmサイズの粒子を95%以上捕集することが可能です。また、DS2規格の防じんマスクなどは、高い粉塵捕集効率を達成しながら吸気抵抗を抑えて快適な使用感を提供します。選択する際には捕集効率の高さだけでなく、作業環境に適したフィルターの種類を考慮することが重要です。
粉じん等の種類及び作業内容 | 防じんマスクの性能区分 | |
---|---|---|
オイルミストあり | オイルミストなし | |
・廃棄物の焼却施設に係る作業で、ダイオキシン類の粉じんの曝露のおそれのある作業 ・放射性物質がこぼれたとき等によるおそれがある区域内の作業又は緊急作業 |
RL3 | RS3 RL3 |
・金属のヒュームを発散する場所における作業 ・管理濃度が 0.1mg/m3 以下の物質の粉じんを発散する作業 |
RL2 RL3 DL2 DL3 |
RS2 RS3 DS2 DS3 RL2 RL3 DL2 DL3 |
・その他、上記以外の粉じん作業 | Lタイプ(区分の2文字目がLのもの) | 全ての防じんマスクが使用可能 |
L (Liquid)タイプ及び区分3(DS3など)は見積商品となりますので、お問い合わせ下さい。
防じんマスクの正しい使用法
正しい装着方法と密着性チェック
防じんマスクを装着する際には、マスクが顔に密着するように調整することが重要です。
スリーエム(3M)より、正しい装着方法のガイドが公開されておりますので、ぜひご参考にしてください。
使い捨て式防じんマスク(カップ型)装着方法(PDF)
防じんマスク(使い捨て式)装着のポイント
- 「あご」を先に合わせる。
一般的なマスクはノーズピース、つまり鼻の位置を最初に調整しますが、防じんマスクは塵・ホコリを吸い込まないようにまず口元(あご)から調整します。 - 「締めひも」は首と頭にかける。
両方とも首後ろに回さないようご注意ください。 - 「密着検査」忘れずに!
マスクを装着した状態で息を吐き出して、漏れがないか確認することが重要です。
使い捨て式マスクの適切な使用期限
使い捨て式防じんマスクは、設計された使用期限内で利用する必要があります。一般的に、DS2仕様のマスクなどでは、1回の使用で10時間前後を目安とすることが多いです。ただし、粉塵が特に多い環境や湿度の高い環境では、それよりも早くフィルターの性能が低下することがあります。この場合、すぐに新しいマスクに交換してください。また、長時間の使用後や汚染が目立つ場合も、マスクを再利用せず廃棄することを推奨します。
また使用時間とは別に、保管している未使用の防じんマスクについても、各メーカー・各製品ごとに設定されている場合がございますのでご注意ください。