燃えにくい「難燃」の防炎シート、燃えない「不燃」スパッタシート
防炎シートとは、燃えにくい難燃繊維を使って織られたシートです。建設・建築工事や解体工事などで現場の囲いとして使われます。鉄の切断や配線撤去など何らかの理由で作業現場で火災が発生した際に、避難行動や初期消火作業などの助けとなります。また、野積み資材のカバー・目隠し用にも利用されます。
一方、同じ防炎でも『溶接用の防炎シート』という時には、正式名『スパッタシート』の事を指します。こちらはバーナーの溶接作業など、最初から火花やノロが飛び散ることを前提に作られた燃えないシートのことで、防炎シートとは用途が異なります。
防炎シートと『防炎2類』の規格について
防炎シートには、日本防炎協会が認定する「防炎性」のみの認定品と、JIS規格合格の防炎1類や2類といったJIS規格品がありますが、実は防炎性能はすべて同じです(同一の試験基準)。
JIS規格品とそれ以外の製品の違いはシート自体の強度(引っ張り強度、ハトメの強度)で、建設現場などで落下物による危険防止としての性能を求める場合にJIS合格品が利用されます。当店では防炎マーク取得品と、JIS2類合格品を取り扱っております。
※なお消防庁に登録された防炎性能の確認機関が日本防炎協会(他1団体)であり、どちらの認定もほぼ同じ意味合いとなります。
溶接用防炎シート(スパッタシート)の規格について
スパッタシートは直接強力な火元に晒されるシートであり、その安全性はJIS規格「JIS A 1323 工事用シートの溶接及び溶断火花に対する難燃性試験方法」によって3種類に分けられています。
- JIS A 1323 A種合格基準
- 厚さ9mmの火花発生用銅板を溶断するとき、発生する火花に対し発炎上有害な貫通孔がないこと。
- JIS A 1323 B種合格基準
- 厚さ4.5mmの火花発生用銅板を溶断するとき、発生する火花に対し発炎上有害な貫通孔がないこと。
- JIS A 1323 C種合格基準
- 厚さ3.2mmの火花発生用銅板を溶断するとき、発生する火花に対し発炎上有害な貫通孔がないこと。
当然ながら同じ火力であれば厚い板を溶断する方が時間がかかるため、A種合格品はB種やC種より長時間あるいは高熱への耐熱性能を発揮します。